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慢性腎臓病(CKD)

 

 

 

 

 


 

①現代医学での概要と当院の治療

 

 現在、慢性腎臓病(CKD)の方は、約1300万人、成人の約8人に1人の割合だとも言われております。慢性腎臓病の初期には自覚症状がほとんどないのが、この病気の恐ろしいところです。進行してくるにつれて、倦怠感・むくみ・貧血・息切れなどの症状が現れてきます。しかし、来院されている慢性腎臓病の患者様の中には、進行しているにも関わらずあまり症状のない方もいらしゃいます。

 

 CKDの診断基準
 Ⅰ:尿検査、血液検査、画像診断、病理診断で腎障害を示す所見が3ヶ月以上持続。
 Ⅱ:GFR(糸球体濾過量)<60mL/分/1.73㎡が3ヶ月以上持続

 Ⅰ、Ⅱのいずれか、または両方を満たす場合にCKDと診断します。

 

 慢性腎臓病(CKD)は、腎障害が慢性的・持続的に起きている病態で、従来の慢性腎不全(CRF)の概念も含まれます。ハ

 イリスク群・ステージ1・ステージ2の早期の群に対して治療を行うことが、病態のステージ進行を防止することに有意であ

 ります。

 ハイリスク群・・・疾患としてはまだとらえられていない。
 ステージ1・・・腎障害が存在。GFRは正常または亢進。
 ステージ2・・・腎障害が存在。GFRは軽度に低下。
 ステージ3・・・GFR中等度に低下。
 ステージ4・・・GFR高度に低下。
 ステージ5・・・腎不全。
 

 

  

 

 

 

 

②まごころ治療院での治療

 

 当院において、CKDを治療する際には、まずはステージの分類をいたします。そのうえで、『腎陽虚』、『腎陰虚』、『脾腎両虚』の3つ分けて証を分けてを治療方針を決めていきます。証とは、現代医学でいうところの病名にあたるもので、問診・脈診・舌診・触診・望診から導きだしていきます。ステージを考慮し『証』を予測して、あらゆる角度から多面的に腎臓病に対してアプローチをしていきます。

 

腎陽虚とは・・・冷え性、頻尿、倦怠感などの症状が現れます。
腎陰虚とは・・・耳鳴り、めまい、手足と頭のほてりなどの症状が現れます。
脾腎両虚とは・・腎陽虚と腎陰虚、2つの症状が混在します。

 

 

CKDの治療目的としては、『病状の寛解・治癒』、『病状の維持』、『腎不全と心血管系の疾患の発症の予防』となります。
CKDのステージにより異なりますが、病院でCKDと診断されたらまず食生活などの生活習慣の改善から始まります。また、BMI(適正体重)の維持、喫煙、アルコールも適量を守ることが大切です。
病院での治療と併行して行うことが最も大切なことです。主治医の指導、管理栄養士の食事指導を厳格に守ったうえで治療をうけることがとても大切です。

 

 

 
 
 
 

③院長からひとこと

 

 自覚症状がほとんどないのが慢性腎臓病(CKD)の恐ろしいところです。

 進行してくるにつれて、倦怠感・むくみ・貧血・息切れなどの症状が現れてきます。しかし、来院されている慢性腎臓病の患者様の中には、進行しているにも関わらずあまり症状のない方もいらしゃいます。中には、主治医の注意をきっちりと、それ以上に守っている方もいらっしゃいます。頭の下がる思いです。

 腎臓を長持ちさせて、『透析と腎臓移植を遅延』させてあげるには、主治医の先生の言葉をきっちりと守ることは当たり前ですが、冷たいものは取らない、カラダを冷やさないなど日々の生活の中で少しずつでも変えてあげることが大切です。これさえ出来れば、半分は成功したようなものです。残りの半分は、医師や治療者の技量によるものだと思います。一緒にがんばっていきましょう。

 『鍼灸治療と慢性腎臓病』についてですが、透析中の方も含み全ての方がもちろん改善するわけではありません。しかし、多くの腎臓病の患者さまが来院される前より顔色や体調などが良くなっておられます。当院でなくてもお近くの信頼できるところで、病院の治療と併行して鍼灸治療をうけてみられることも、慢性腎臓病の患者さまにとって価値あることです。

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