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①現代医学での概要と当院の治療

 

   好発年齢 igA腎症の好発年齢は、二峰性で10代と40代に多く、また性別では男性に多く見られます。健康診断の血尿で発見されることが多くおよそ70%をしめます。原因として、ウイルス、細菌、食物抗原など研究されていますがいまだに特定されていません。しかし、扁桃腺での感染が関係していると考えられ、実際に扁桃腺の摘出とステロイド薬の併用が良い治療成績をあげています。

 

igA腎症の発見...
○尿検査での血尿・蛋白尿の有無
○持続的な顕微鏡的血尿○持続的または、間欠的蛋白尿
○igA高値
などの所見をもとにしてigA腎症かどうか判断します。健康診断などで偶然見つけられることが多いです。

 

腎生検で...
○メサンギウム細胞増殖性変化が見られる。
○メサンギウム領域にigA、igG、igM、C3などの沈着がみられるが、主にigAが沈着する。


 

 

                 メサンギウム細胞とは? 腎臓の糸球体は、血管内皮細胞、上皮細胞、メサンギウム細胞の3              

                 種の細胞から構成されている。メサンギウム細胞は、糸球体の中にある毛細血管と毛細血管

                 の間をメサンギウム領域という。メサンギウム細胞は輸入細動脈とつながっており、毛細血管を

                 締め付けることにより糸球体濾過量を調節する。

 

 

 

 

 

 

症状としては...
  igA腎症の症状として無症状で経過して健康診断で偶然発見されことが多いです。また、風邪をひいている時に血尿が見られることがあります。症状の悪化につれて蛋白尿は増加しますが血尿が強くなることはりません。しばしばネフロンの減少を反映して症状が進行する過程で血尿が弱くなることもあります。そのために、ある程度進行したigA腎症の予後(腎機能低下)を推測するうえで、血尿は蛋白尿ほど役に立たないことになります。
 しかし、早期のigA腎症において糸球体毛細血管炎が主な原因であるため、糸球体毛細血管炎の程度を示す血尿は、早期のigA腎症における予後を予測する指標として重要となります。

 

igA腎症の進行
 

①好中球やマクロファージによる糸球体毛細血管炎が起こる→②糸球体毛細血管壁の断裂・壊死→③瘢痕→④機能の喪失

              糸球体毛細血管炎による①→④の繰り返しが早期のigA腎症の進行の主な因子となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

igA腎症

 


 

②まごころ治療院で行う治療について

 

 igA腎症、慢性腎臓病、慢性腎不全をはじめ腎臓に関する疾患に対しては、ほぼ共通した治療法となります。患者さんの体質や症状の重さによって若干治療は変わってきますが、鍼と灸が基本の治療となります。

白血球分画データまたはクレアチニンに変化が見られるまでは週に2回(1~3ヶ月)、変化が見られてからは週に1回(3~12ヶ月程度)、その後は症状をみて再発・症状の悪化の防止、状態維持のために2~4週間に1回程度に徐々に間隔をあけていきます。

 

 

③院長からひとこと


   私は鍼灸治療が良い結果を残す理由に、患者さんと向き合う時間が長いことがあると考えます。腎臓病では、患者さん自身が病態を自覚して食生活を変える努力を始めることが出来たら腎臓の治療の半分は成功です。西洋医学も東洋医学も関係なく、残り半分は医師や治療者によるもと思います。日進月歩で高度に発達した現代医学と、伝統医学である中医学による鍼灸。登山に例えるなら、西洋医学・中医学、道は異なっても目指すゴールは同じだと思います。

 

 

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